厄除け日記 (by Kばやし)

厄除けのように、好きなことを集めて書きます。 30代。 俳号は軽囃子(けいばやし)

カテゴリ: 新潟

出張先の長岡の街をふらふら歩きながら、どこの居酒屋へ入ろうかと考えていました。

居酒屋探しのポイントは、若者の嬌声が聞こえてこないこと、店名がダジャレやキラキラネームでないこと、ズタズタでもいいから古くからやっていそうなお店であること、あたりでしょうか。


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良さそうな感じの居酒屋を見つけ、入ることにしました。

10メートルほどの長いカウンター。

その中にはガラガラ声の女将さん(妙齢)。

「どーぞー」と、女将さんに促されて私はカウンターの奥に座りました。

遅い時間だったこともあり、先客は一組だけ。


「じゃあ、生ビールください」

言うや否や、「どーぞー」と、生ビールがカウンター越しにドン!


まずは、長岡市の名物でもある「栃尾の油揚げ」を肴に、ビールをガブガブ、油揚げをバリバリ。

持ってきた新聞を広げてビールを飲み続けます。


私「注文いいですか?」

女将「どーぞー」

私「おすすめの日本酒をください。それと、ほやと氷下魚(こまい)をお願いします」

(ほやと氷下魚(こまい)という、イメージできないつまみを注文してみました)


ほかに客のいない店を見渡すと、壁に気になる色紙が掛けられていました。

私「この色紙、写真撮ってもいいですか?」

女将「どーぞー」

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《風に聞けいづれが先に散る落葉 半藤一利》

《十字路におんな待つ宵雪のふる 半藤一利》


作家であり歴史探偵、また元文藝春秋編集長として知られる半藤一利さんの色紙を発見したのです。

半藤さんの俳句を眺めて一献。贅沢ですね。


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6月というのに肌寒い今日のような夜は、やっぱり日本酒でしょう。


女将「おまちどう」

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手前、氷下魚。奥、ほや(七味のうら)


半藤さんは江戸っ子のはずですが、確か、長岡にも縁があると何かで読んだ記憶があった私。


日本酒をちびちび飲みながら、

私「半藤さんは戦争中、長岡に疎開していたんですっけ?それとも、旧制長岡高等学校の出身者ですっけ?」

女将「疎開ですよ」

疎開のほうだったか。もし旧制長岡高校の出身者だったら、丸谷才一や野坂昭如と同窓生ということになったのですが。


女将さんいわく、実は、半藤一利がこの居酒屋に来店したことはないようです。

年配の常連さんが半藤さんと昵懇だったため、色紙に一筆をお願いしたそうです。


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私「南蛮えびの刺身と、日本酒をもう一杯ください」

女将「どーぞー」

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女将さんとの話題は、半藤一利の奥様について。

女将「半藤さんの奥様の末利子さん、夏目漱石のお孫さんね。エッセイを書いてらっしゃる方いますよね」

「ええ」と、私は南蛮えびの頭のミソを吸いながら、頷きます。

女将「末利子さんも長岡に疎開していたんですよ。末利子さんのお母さんが夏目漱石の娘。で、末利子さんのお父さんが松岡譲という小説家」

私「ほう」

女将「松岡譲が長岡の人なんですよ」

父(松岡譲)の縁で、のちに半藤さんの奥様になる末利子さんも長岡に疎開していたのだとか。


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客は私だけ。

長いカウンターの隅を見ると、店員さん(妙齢女性)がビールをガブガブ飲んでいました。


そろそろ帰ろうかと席を立とうとすると、日本酒のポスターが目に入りました。

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「五十六」という酒(写真中央)。

そういえば山本五十六も長岡の人でした。

「五十六」の題字を書いているのは、加山雄三のようです。

そういえば、加山雄三は、半藤一利原作の「日本のいちばん長い日」にアナウンサー役で出演していましたね。

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若大将。

「五十六」は、次に来たとき飲むことにして、席を立ちました。


「お会計お願いします。また来ます」


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(おまけ)

帰り道。ほろ酔いでふわふわ長岡駅前をとおると、長岡出身の著名人のパネルがありました。

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居酒屋で話題に出た松岡譲が右下に載っています。
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数日前のこと。

出張で新潟へ行きました。

景気が悪く厳しい出張になるだろうと、気分は越後に流刑になった親鸞上人のごとし、でした。


タイトなスケジュールだったため急いで移動しました。

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越後の山道を急ぐ私(親鸞)
(映画「白い道」より)


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「白い道」という映画は、三國連太郎が制作した親鸞の半生を描いた作品です。


豪華キャストが揃っていますが、主役の親鸞だけは、無名の中年俳優です。


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お客さんところを訪問。

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上半身裸で商談する私(親鸞)。

商品の特徴を民衆に説いてきました。


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そんなわけで、外に出ていることも多く、更新が疎かになっておりましたが、今後ともお付き合いをお願いします。

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(続き)

仕事で、新潟へ行きました。
新潟で泊まり、翌日は長岡へ移動するという日程でした。

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ところで、
新潟が舞台の映画といえば、「越後つついし親不知」や「はなれ瞽女おりん」という
水上勉が原作の作品を思い浮かべます。

雪原を歩く瞽女(ごぜ)の一座
※瞽女は、盲目の女性放浪芸人

雪原を一列に進む瞽女たち

水上勉にすり込まれた私の新潟県のイメージは、

豪雪、
出稼ぎ、
あかぎれ、
間男、
強姦、
岸壁、
無理心中、
荒海、
盲目の旅芸人、
売春、
殺人・・・、

いやあスゴイところですね。
新潟は私好みのステキな県かもしれないと思ったのです。
やはり私は、
ディズニーランドより水上勉ランド(新潟)に行きたいタイプなのです。

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話は変わりますが、
新潟の和菓子屋さんを何軒か巡ってみました。

まずは、新潟市。
米どころだけに和菓子屋というよりも、団子屋や餅屋、米菓(せんべい)屋が多いという印象でした。
桜餅も小麦粉の焼き皮タイプでなく、もち米の道明寺タイプがメインに売られていたのには驚きました。
(一般的に、焼き皮は関東風、道明寺は関西風と言われています)
やはりこれも米どころゆえ、ということでしょうか。

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移動中に、笹団子を食べました。
(やはり米の粉でできています)
なんと、中身はあんこではなく、きんぴらごぼう。
よもぎのたっぷり入った米の生地に、しょっぱい具材。
意外に合うものですね。おいしくいただきました。

新潟の人が言うには、
「昔は砂糖は高価だったんで、本来の笹団子の姿は、中身は粒あんじゃなくおそらく惣菜だったんだと思いますよ」とのこと。
なるほど。

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続いて、長岡へ。
ここでも和菓子屋さんに入りました。
有名な「越乃雪本舗」へ寄りました。

長岡は新潟と違い、城下町ということもあるのでしょうか、団子よりも上生菓子(お茶菓子)を売っているお店が多いという印象を受けました。
文化の差ですね。

日本三大銘菓といわれる「越乃雪」。
箱を開けると、

お菓子の箱の中に入っていた栞によると、
《高杉晋作は亡くなる十日ほど前、今年の雪見はもうできないからと見舞いにもらった『越乃雪』を傍らに置いてあった松の盆栽にふりかけて雪見の名残をされたといわれています》とのこと。
キザですね。

越乃雪は、上品な淡い雪のようなお菓子でした。
口の中でスーッと溶けていきます。

※佐久間象山、河井継之助、明治天皇、岩倉具視、大隈重信、山本五十六らも食べたという由緒あるお菓子とのこと。

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趣味の菓子屋巡りをしているうちに、
水上勉に毒されたドロドロとした私の新潟観は大幅に修正が必要だと感じたのです。

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長岡のあとは、十日町、南魚沼に寄って、
長野へ戻るという日程。

豪雪地帯をドライブしていると、
「越乃雪」の淡雪は、「美化された雪」なのだと思いました。
行けども行けども雪また雪。

こういう風景を見ると、
水上勉の「厳しい新潟」も、それはそれで真実なのだと感じました。

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「はなれ瞽女おりん」という映画では、岩下志麻が、瞽女(盲目の旅芸人)であるおりんを演じます。
瞽女のしきたりとして、瞽女は男を知ってはならないのだそうです。
しかし、岩下志麻はそのタブーを犯してしまい、
旅芸人の一座から追放されてしまうのです。

やがて、
岩下志麻は惚れてしまった原田芳雄を探しに、旅に出ます。
長野の善光寺にたどり着き、
そこで、原田芳雄と再会するというストーリー。
(善光寺の仁王門)

新潟から長野にやってきた岩下志麻。

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雪深い新潟から長野へ。
図らずも私は、瞽女である岩下志麻と同じ道程を辿っていたのでした。


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出張で新潟へ行くことになりました。
書類やサンプルを用意をして、出発前に車にガソリンを入れて、準備は万端。

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まだまだ寒い朝。
車のエンジンをかけて、いざ新潟出張へ!

気分は、「トラック野郎 度胸一番星」の菅原文太です。
(この映画の中で、菅原文太は破天荒なトラックドライバーを演じています)

ハンドルを回しながら「オリャー!」
タイヤがキュルルル!エンジンがブゥゥーン!

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奇しくも、この「トラック野郎 度胸一番星」の舞台は、新潟。
菅原文太が新潟に到着したように、私も新潟に到着!

この映画の中で、菅原文太は、片平なぎさに一目惚れします。
片平なぎさは、佐渡に住む娘。
そこで、文太は片平なぎさに好かれたいがために佐渡に関する本を読みあさるのです。
食事をしながら、佐渡の本を広げます。
でも読んでいる本は・・・・・・、
サド侯爵夫人!

私も文太のように、新潟のお客さんの情報を予習してから、営業へ回ったのですよ。

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新潟は昔からある港町。広い都市です。
営業先は何ヵ所もあり、ハードスケジュールでした。

「トラック野郎 度胸一番星」の中で、菅原文太の名セリフといえば
《一世一代のスピード違反だぁ!!警視総監に言っとけ!パクれるんならパクってみろってなぁ!! 》
最高ですよ。今じゃ考えられないセリフです。

で、
私もハードスケジュールをこなすため、車に乗ってハンドルを右に左に回します。
タイヤがキュルルル!エンジンがブゥゥーン!
「ポリ公、どきやがれー!」
エンジンを吹かすと、排気ガスがもうもうもうもう。
パトカーで追う女性警官(あき竹城)はこの始末。

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それはそうと、仕事の方は、それなりにうまくいきました。

この夜は新潟泊まり。
居酒屋へ行く前に、菅原文太のマネをして運転しながら早めの打ち上げ。
ガブガブガブ。

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映画の中で菅原文太は、《ふるさとは遠きにありて思ふもの》と室生犀星の詩を口にして、
「トルコ」(ふるさと?)へ行ってしまいました。

私は健全に、新潟駅前の居酒屋へ。
やっぱり日本酒と魚はおいしいですね。

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居酒屋を出ると、
春めいたとはいえ、まだまだ寒い星の夜。

翌日は長岡へ行きました。
それについては、またいずれ。
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