厄除け日記 (by Kばやし)

厄除けのように、好きなことを集めて書きます。 30代。 俳号は軽囃子(けいばやし)

カテゴリ: ニッポン放送

《祇園精舍の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。》
平家物語の冒頭。
ほれぼれする文章ですね。

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腐りかけのものを食べて下痢になった人に対して、私は「おごる平家は久しからず!」と断じたことがあります。
数日前、私も変なものを食べたのか下痢になりました。
つくづく「おごれるもの久しからず」ですね。

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さて、
信州新町は長野の山間地にある小さな町で、琅鶴湖(ろうかくこ)と呼ばれるダム湖(川をダムでせき止めてできた人工的な湖)があることで知られています。
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琅鶴湖(ダム湖)
先日、そのダム湖に面している「信州新町化石博物館」へ行ってきました。
日曜日だというのにほとんど客のいないひなびた博物館です。

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「信州新町化石博物館」には、長野市の山間地で発掘された恐竜の化石が展示されています。
その昔、長野あたりでも恐竜がわが世の春を謳歌していたのかと思うと、不思議な気持ちになりますね。
展示を見ながら私は、いつものクセで、絶滅した恐竜に対して「おごる平家は久しからず」と呟いていたのでした。

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恐竜の化石は、海に住む恐竜のものでした。
さらに、鯨の化石も並んでいました。
山間地にもかかわらず、海に住む生物の化石が展示されていたということは、つまり、信州新町はかつて海だったようです。
海底の地盤が隆起し、いまや山間地の町になっているというのも不思議です。
いつものクセで、私は海というか地球に向かって「おごる平家は久しからず」と言ってしまうところでした。

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そのあと何気なく、「信州新町化石博物館」に隣接している「有島生馬記念館」へ入りました。
有島生馬は高名な洋画家で、画壇の重鎮だったのだとか。
「有島生馬記念館」は、かつて鎌倉にあった有島生馬の住居を移築した建物です。
展示されていた家系図を見ると、
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華麗なる有島一族。
有島生馬は、有島武郎や里見弴の兄弟です。

なぜ、有島生馬の住居が信州新町に移築されたのか。
パンフレットによると、
有島生馬は、《信州新町の自然と温かく素朴な人情を愛し、/85歳までに8回の来遊を重ねた》そうです。
没後、生馬の鎌倉にあった住居は《上智大学の所有となり/その後、縁の深かった信州新町に上智大学から譲渡を受けて移築》されたのだとか。
その後、《昭和57年10月に「有島生馬記念館」としてよみがえり、開館》したとのこと。

信州新町のダム湖を「琅鶴湖(ろうかくこ)」と命名したのも有島生馬なのだそうです。
どういう意味なんでしょうね。私にはちょっと理解できないセンスです。

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信州新町の閑散とした商店街の、とあるお店のショーケースに、格式ありげな色紙が飾られていました。
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なんとか解読したところ、
《百年後 今宵の月を 琅鶴湖》
有島生馬の書で、ダム湖に映った月を詠んだ俳句です。

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一ヶ月近く前、西日本で豪雨災害があった日、長野でも大雨が降りました。
普段は鏡のような琅鶴湖ですが、その日はダムが開放されて、濁流になりました。
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父の机の上に置いてあった本。
ぱらぱらめくりました。
10年後、20年後、社会はどんなふうになっちゃうんだろうか。

《百年後 今宵の月を 琅鶴湖》
と詠まれた鏡のようなダム湖が、あっという間に濁流に変貌。
ダムが解放された轟音は、諸行無常の響きがしました。

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(おまけ)
有島一族には、軽井沢の三笠ホテルの経営をした山本直良がいたり、作曲家の山本直純がいたりします。
こちらはそのことについて書いた記事です。

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いまさらですが、

「舟を編む」(松竹)というとても良い映画(DVD)を見ました。


主演の松田龍平が、拾った猫に「寅次郎」と名付けるあたりが松竹ファンにはたまらないシーンですね。


出版社の、辞書の編纂をする部署の話。

辞書編纂という地味な仕事をする松田龍平や小林薫、加藤剛など一見物静かにみえる登場人物たちの、熱い気持ち。

この「静かな人たち」の「熱さ」がいいんですねー。

ギャップがある人に、魅力を感じるんですよね。


ギャップこそ魅力だとつくづく思いました。 

例えば、

豪快に見えて繊細だったり、チャラチャラしているのに古風だったり、クールに見えて情熱的だったり。


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話は変わりますが・・・・・・、


人生相談が好きで、新聞や雑誌に人生相談が載っていると、思わず読んでしまいます。 


回答も様々で、突き放してみたり、同情してみたり、実用的なアドバイスをしてみたり、回答者それぞれに芸風がありますね。


いろんな人生相談を見聞きしていますが、やっぱり回答の名人は「ラジオ テレフォン人生相談」のパーソナリティ、加藤諦三先生だと思います。


「テレフォン人生相談」は、平日の11時からニッポン放送で放送されています。


(ラジオ欄)


例えば、

母子家庭で息子を育てた母親からの悩み相談。

「まじめな息子が受験に失敗。そのことが原因なのか、息子は風呂場で妹を盗撮未遂。それが露見して以来、家に引き籠もってしまいました。私(母)は熱心に教育してきただけにショックで堪らない」という悩み。

加藤先生はこの相談に対して、電話で対話をしながら原因を深く突き止めていきます。

1、母親から言われるがままの「良い子」の息子

2、「熱心な教育」は息子のためでなく母親自身のためのものだったのではないか

3、母親自身の若いころの挫折

4、母親は自らの育った環境にトラウマを抱えていた

というように盗撮騒動の起きた原因を突き止めていきます。

そして、

母親が「なんてことだ・・・」と涙を浮かべ頭を抱えたところに、加藤先生の具体的なアドバイス。

盗撮という行為は、「意識で治せるようなものではなく、無意識が要請しているもので」快復は容易ではないとした上で、

「引き籠もっている息子さんの気持ちを聞いてあげて下さい。また、あなたのトラウマを息子さんに話して下さい。対立するかもしれませんが、対立を怖れずに会話をして下さい。息子さん自身が、自分のやりたいことに気がつく、ということが大切です

で、締めのお言葉。

「対立から意思が生まれます」

名人芸です。


新聞や雑誌の人生相談ではできない、相談者と回答者の会話の中で、「答え」にたどり着こうとすること。

「表層的な悩み」から、そのカラクリと本質を会話をとおして解き明かしてゆくあたりは、サスペンスのような面白さがありますね。


まさに、「人は大きな悩みを隠すために小さな悩みを作り出します」(by加藤諦三)。 


そうなんだよなあ。


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それはそうと、

私は加藤先生の名人芸について書きたかったわけではないのです!


「テレフォン人生相談」には、加藤諦三先生とは別にもう一人、レギュラーの日替わりアドバイザーがいます。

番組冒頭で加藤先生が、「先生をご紹介します」と、アドバイザーを相談者に紹介するのです。

で、この日、紹介されたのは、

「マドモアゼル・愛」先生。


それにしても「マドモアゼル・愛」ってすごい名前ですね。


ラジオからマドモアゼル・愛先生の声を聞く限り、落ち着いた若い紳士という印象を受けました。

エキセントリックな名前のわりには、理性的で冷静な回答をする先生です。


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加藤諦三先生は、早稲田大学名誉教授という安心感のある肩書きがありますが、マドモアゼル・愛先生は謎めいた存在でした。

そこで、気になった私は、

パソコンで「マドモアゼル・愛」と検索してみたのです。


すると・・・、


ドーン!!

肩書きは、「占い師」。


嘘だろ??


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ギャップこそ魅力と、先ほど申しましたが、

「マドモアゼル・愛」先生に対し、

子供のころ受けた「小野妹子」は男だと知ったとき以来の衝撃!

あまりの驚きに、

胃の中のものが逆流して、口から噴射するところでした。


魅力を感じるギャップには、許容できる限度というものがあるということも感じました。


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