子どもが生まれて、14日間のうちに出生届を出さなければならないというきまりがあるそうです。
ということは、14日間で子どもの名前を決めなければいけないことになりますね。
(12月3日に生まれたので、17日がリミットとということになります)
歳時記をながめたり、景色をながめたり、姓名判断を調べたりしながら、候補を3つに絞るところまではあっという間でした。
しかし、決める前に、何人かに相談しておいた方がいいだろうと思ったのが間違いのもと。
それぞれセンスが違うために難航・迷走が始まるのは、必然のことでした。
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(出生届を提出することで名前が決まります)
「柳」を使ったことわざに「柳に雪折れなし」なんてものがあります。
《 柔らかくしなやかなものは、堅いものよりも、よく耐えたり丈夫であったりする》ことのたとえです。
名前に「大きくしなやかに育ってほしい」という「願い」を込めてみたのですよ。
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ところで、
この数年の間に「東京やなぎ句会」のメンバーがどんどん鬼籍に入りました。
私は「東京やなぎ句会」の大ファン。
「東京やなぎ句会」の本はどれも絶品で、俳句を知らなくてもゲラゲラ笑いながら読むことができます。
(この本のおかげで、私は俳句に出会いました)
メンバーは、入船亭扇橋を宗匠に永六輔・江國滋・大西信行・小沢昭一・桂米朝・加藤武・神吉拓郎・永井啓夫・三田純市・柳家小三治・矢野誠一というそうそうたる方々。
メンバーがまだ若いころに、俳句で遊ぼうよ、ということで結成されたのだとか。
それが数十年して、メンバーはそれぞれの分野で大家になります。全員が大家になっているというのがすごいことなんですが、老いても若いころと変わらずに、毎月17日に集まって俳句会で悪ふざけを続けた、というのがカッコよく、また、うらやましいことだと思います。
今年に入り、ただでさえ少ない生存メンバーだった入船亭扇橋さん、桂米朝さん、加藤武さんがお亡くなりになりました。
残るは、永さんと大西さんと小三治さん、それから矢野さんか。
なんと心寒いことでしょう。
(2年前の生き神様たち)
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亡くなったといえば、野坂昭如さんも、ですね。
(野坂さんについては、またゆっくり書きたいと思います)
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あこがれのジイさまたちいなくなり、寄るべなくなってゆく世の中に「やなぎスピリッツを継ぎし者」が必要だと思った私。
「やなぎスピリッツ」を守るために私は・・・、
息子の名前に「柳」の「呪縛」をかけてしまったのでした。
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やがて息子は思春期になり、不良化し、色眼鏡をかけたり酒を飲んだくれるかもしれません。
そのとき、息子は自らの名前に「柳」の「呪縛」をかけられていたこと知り、私は殴られるかもしれません。
不良化した息子にアゴを殴られ、グラッときた私はどうするか。
もちろん私は、ONになっているマイクで大島渚が野坂昭如に反撃したように、ガツンと一撃を食らわせるつもりです(冗談です)。
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そんなわけで、名前が決まりました。
桂米朝さんが人間国宝になったときに、小沢昭一さんが詠んだ俳句を思い出した私・・・。
国宝も国辱もいてやなぎかな(小沢昭一)
さて、うちの「やなぎ」はどうなりますか。