4才の息子を連れて、街の書店へ行きました。

息子は男の子にありがちな、魚、恐竜、のりもの(特に新幹線)に興味を持ち、夢中になっています。
不思議なもので男の子はたいていこういうものに関心がいくようです。

私が本を物色していると、息子は「この本ほしい!」と一冊の本を持ってきました。
FullSizeRender
幻想の信州上田(西村京太郎)

西村京太郎先生の小説など、4歳児が読めるわけもありません。
私「字の本だから買わないよ」
買いたい、買いたい、新幹線の本ほしいと駄々をこね始める息子。
有無を言わさず、「ダメーー!」。
息子は泣き出しました。

面倒な事態に陥ってしまった・・・と頭を抱えた私。
そこで一計を案じました。

私「魚好き?」
息子「うん」
私「鮫(サメ)好き?」
息子「うん」
私「じゃあ、鮫の本を買ってあげるよ」
息子「やったー!」

そこで私は1冊の本を購入したのです。
FullSizeRender
新宿鮫Ⅺ 暗躍領域(大沢在昌)
待ちに待った念願の新宿鮫シリーズの新刊が8年ぶりに発売されていたのです。

補足ですが、書店には西村京太郎の「スイッチバック殺人事件」という本が売られていました。
長野の姨捨駅のスイッチバックを殺人のトリックに利用すると想像しました。
この突飛な発想に呆然としました・・・。

================

さて、帰宅して早速「新宿鮫11」を読み始めました。
いやあ、面白い。最高。

ところで、
私の敬愛する丸谷才一御大は新宿鮫シリーズの大ファンとして知られていました。
私は丸谷さんの書評で「新宿鮫」を読み始めた経緯があります。

丸谷御大が生前、前作の「新宿鮫10」を、毎日新聞で絶賛していたことがあったっけ、と思い出しました。
インターネットで丸谷才一の新宿鮫評を探しました。
(以下、丸谷御大の書評の抜粋)
《戦後の日本は多くのすぐれた娯楽読物を持ったけれど、シリーズものの主人公として、新宿鮫はあの剣豪眠狂四郎、あの名探偵金田一耕助をしのぐほどのスターだろう。
どうしてこういう事態が生じたか。第一に作者の文体がいい。小説の文章として小粋である。(中略)
第二に小説の作りがうまい。(中略)
第三に構えが大きい。歌舞伎町とゴールデン街を起点として東京を描くこの都市小説は、東南アジアの現在全体を扱う。(中略)21世紀の市井風俗を題材とすると見せかけて実は日本近代史全体をとらえようとしている。》
いいなあ、丸谷節。

丸谷御大は残念ながらお亡くなりになりました。
丸谷さんの分まで、この新作を楽しみました。

================
================

話は変わります。
私は4才の息子に「お正月、どこ行きたい?」と訊きました。
すると、「新幹線に乗りたい」。
「え・・・」。
正月の新幹線は混むし、イヤだなあ。
なんで新幹線が好きなんだろう。
私が顔を曇らせているにも関わらず、息子は「新幹線!新幹線!」と早くも喜んでいるのです。

そこで、私は一計を案じました。
地元のローカル線(ゆけむり号)を「これこそが新幹線なんだよ」と嘘をつき、言い張ることにしたのです。

================

正月のこと。
IMG_2191
近所の長野駅に着き、ゆけむり号に乗車しました。
私「赤い新幹線だよ」。
息子「ぜんぜん新幹線じゃないよ!(泣)」。
私「こまちの赤ちゃんだよ」。
息子「本当?」
詭弁を駆使し、息子を上機嫌にすることに成功しました。
こうして無事に、ゆけむり号に乗って湯田中(温泉地)へ行ったのです。

湯田中温泉で酒をがぶ飲みしたり、年賀状を書いたりして、私と妻君もローカル線の旅を楽しんだのです。