祖母がひとりで暮らしていた山の家が、祖母が亡くなり、空き家になりました。
子どものころ(小学生のころ)から私は、この山の家が好きで、いつか隠居して仙人のように暮らしたいと思っていました。
しかし隠居志願者だった私にも分別ができ、また、しがらみもでき、いきなり仙人になるわけにはいかなくなりました。

空き家は売りに出すことになりました。
すると、あっという間に売れました。
「こんな、山の中にある古くて広い家、よく売れたものだなあ」と伯父。
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2階からの景色

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ところで、妻君はこのごろ民芸に傾倒しています。
先日も妻君のリクエストで日本民藝館へ同行しました。
また、近所の古道具屋にも通っているようです。
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日本民藝館の入口
妻君「この空間にいるとやすらぐわー」

話を戻します。空き家が売れた話です。
新しいオーナーに空き家を引き渡す前に「欲しいものがあれば持っていっていいぞ」
と伯父に言われ、祖母の遺品を貰いにいきました。
民芸ファンの妻君は、ガタガタの棚や机、ズタズタの収納、ギシギシする道具類、ボロボロの小物を喜々として引き取るというのです。
「こんな粗大ゴミもらってどうするの・・・」と絶句して頭を抱える私。
大きなしゃもじ(櫂?)も「これ欲しい!」
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私「これ、萬屋錦之介の武器だぜ・・・」
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(「宮本武蔵」より)

一方、私も遺品をもらうことにしました。
黒猫の置物、福助、大きめの赤べこ、1畳ほどある古い地図(数枚!)、謎の幟など。
遺品を車に詰め込みます。
すると、「ヘンな小物ばっかりもらって・・・、インテリアの調和が崩れるよ・・・」と妻君。
お互い様ですよ。

後日、妻君がズタズタの遺品を洗って磨いて、部屋に入れました。
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「様になるじゃないか!」

私の選んだ小物群もわが家でいきいきしています。
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Kばやし再生工場です。

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私の引き取った遺品の中には、
明治大正時代の学校の卒業証書や、戦争中の砂糖の配給券、まったく読めない江戸時代の手紙も何枚もありました。
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それと、祖母の日記帳を手に入れました。
戦前(祖母が結婚する前)から亡くなるまで毎日つけていた日記で、淡々とできごとだけを綴っています。
そのうちゆっくり祖母の日記を読み解こうと思います。
私にとってはこれが最大の収穫かな。