あまりにくだらなかったため、記憶から消えないある映画のシーンがあります。
それは、
「トラック野郎 突撃一番星」の田舎道の場面。
主演の菅原文太が自慢のデコトラを運転していると、
目の前に、天秤棒に肥桶をぶら下げてフラフラ歩いているおじいさん(由利徹)が現れます。
肥桶には、目一杯の人糞(肥料)が詰まっています。
すると・・・・・・、おっとっと!
バランスを崩した由利徹は、糞便をトラックにぶちまけてしまいます。
マンガのように、怒った文太がトラックから降りてきて、ゲンコツをゴツン!
ストーリーには関係のないそれだけのシーンなんですが、くだらなすぎて笑いました。
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オープニングシーンも、酷いんですよ。
「トラック野郎 突撃一番星」公開当時、スターウォーズなどSFブームだったようで、
主演の菅原文太は、トラックに無線やパラボラアンテナを搭載し、異星人と交信しようと試みます。
「UFOの女性乗組員と『接近遭遇』をしたい!」と文太は張り切るのです。
ちなみに『接近遭遇』とは、『いやらしい行為』のことです(笑)
UFOの女性乗組員と『接近遭遇』をするために、トラックに無線やアンテナを搭載するという発想。
素晴らしいですね。
すると、
「UFOを発見!!」
文太は叫びます。
目をこらすと・・・・・・、
トルコ風呂の電飾看板だったのでした。この発想。
かえすがえすも素晴らしいです。
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話は変わりますが、
少し前に、家族で伊勢へ行きました。
(前の記事にも書きました)
伊勢へ行ったついでに、
妻君いわく「鳥羽水族館へ行きたい」とのこと。
うーむ。
水族館に興味のない私は、眉をしかめて黙り込んでしまいました。
すると、
「じゃあ、鳥羽にある『イルカ島』へ行こうよ」と妻君。
うーむ。
「『イルカ島』・・・・・・。どんなところなんだろう。水族館よりは興味あるよ。ま、行ってみましょうか」と、私は首を縦に振ったのです。
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鳥羽市の「イルカ島」。
初めて知りました。
「イルカ島」という言葉をきいて、私の連想したキーワードは、「三重」、「志摩」、「小さな島」。
もしかして、
江戸川乱歩の「パノラマ島奇譚」という小説の舞台ではないか?
小説によると、「パノラマ島」の所在地は、「M県」の「S群」の「小島」とのこと。
つまり、「三重県(M県)」、「志摩郡(現・鳥羽市)(S群)」の「小島」が、「パノラマ島」なのです。
このとき私の中で、「イルカ島」と「パノラマ島」が重なりました。
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「パノラマ島奇譚」という小説のあらすじは、
妄想狂で芸術家志望の男が、自分とそっくりの容姿の富豪になりすまし、莫大な財産を手にするところからストーリーが始まります。
莫大な財産にものをいわせ、妄想狂の男は、「I湾」(伊勢湾)の孤島を、グロテスクな島(自分にとってのユートピア)へと変貌させます。
人工的な自然、気味の悪い見世物、夜な夜な花火が打ち上げられます。
しかし、
男は、パノラマ島に招かれた探偵に、富豪になりすましたニセ者であることを見破られてしまいます。
正体を突き止められた男はニヤリと笑い、夜闇の中を走り出します。
しばらくすると、
花火が、ドカーン!
次々と打ち上げられる花火の中から、バラバラになった男の肉片が火花と一緒に振りそそいでくるのでした。
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イルカ島へ向かう客船の中で、
私は「イルカ島」と「パノラマ島」を重ね合わせて、グロテスクな妄想と不穏な気分を楽しんでいました。
(無論、そのことは妻君には内緒でしたが)
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いざイルカ島に到着してみると、
当然ですが、想像していた「パノラマ島」とはまるで異なっていたのです。
親子連ればかりのイルカショーやアシカショーが行われている、ちょっとさびれた島でした。
当たり前ですが、
こののんびりした島は、ハラハラドキドキする肉片の降り注ぐ「パノラマ島」ではなかったのです。
私は、無意識にあくびをしていました。
すると、妻君「つまらなそうだね」。
「え~!?つまらなくないよ~」と、私はわざとらしい反応をしたのでした。
再度、あくびをする私。
あくびをするや否や、思わず私は目を見開き、
「あ!!俺、ここ知ってる!!イルカ島のこと知ってたよ!!」と叫んでいたのです。
どうして叫んだか。
そのわけは・・・・・・。
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いったん、
「トラック野郎 突撃一番星」に話を戻します。
菅原文太は、『接近遭遇』(いやらしいこと)をするために、UFOの女性乗組員を探していましたね。
文太は、夜道を運転していると、
偶然、目の前に現れた原田美枝子をUFOの女性乗組員と勘違いします。
(苦笑)
明くる日のこと、
文太は、偶然にも原田美枝子と再会し、彼女はイルカの調教師だったと知るのです。
(左から、菅原文太、せんだみつお、原田美枝子)
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イルカ島で、私は興味のなかったイルカショーを見ながら、
「トラック野郎」のロケ地が、イルカ島だったということに気がついたのです。
(「トラック野郎 突撃一番星」より)
長くなりましたが、そんなわけで私は、
「あ!!俺、ここ知ってる!!イルカ島のこと知ってたよ!!」と叫んだのです。
実際のイルカ島の調教師は、原田美枝子のような、はつらつとした若い女性ではなく、おじさんでしたが。
妻君いわく「突然、目が輝いたと思ったら、『トラック野郎』なのね・・・」
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