酒豪としてのエピソードばかりの映画俳優といえば、松方弘樹でしょう。
(ちなみにプロレスラーでいえば天龍源一郎だと思います)

例えば、松方弘樹の酒豪エピソードとして、
阿川佐和子との対談によると、
《松方「ブランデーを一日二本、年間八百本くらい飲んでいました」
阿川「ボトルを二本!?」
松方「一本目は三十分で飲みます」》

この飲みっぷりには仰天です。
(ただ松方は、ドクターストップがかかって一時期断酒をしていたこともあるそうですが)

《松方「千代の富士にもお酒では負けなかったし、清原(和博)君にも問題なく勝ちました。(中略)。負けたのは元プロレスラーの天龍(源一郎)さんくらい」》
へえ・・・。

松方と天龍へのウワバミ幻想は深まるばかりです。

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ところで、私は、
大学院の社会人コースで食品について勉強をしています。

この日は、遺伝子解析についての実習がありました。

本来ならDNA鑑定は、食品の産地や品種を特定するための技術なのでしょうが、
今回の実習では、私たち(受講者)の遺伝子を取り出してアルコール代謝の強弱を調べるという実験をすることになりました。
つまり、酒に強いか弱いかを調べる実験です。

染色体は遺伝子からできています。
その遺伝子は2本で1組になっているのだとか。
今回の実験では、私たちからアルコール代謝を識別する遺伝子を取り出して、2本で1対になっているその遺伝子が、
2本ともを「野生型ホモ」であれば、お酒に強い体質・・・(1)、
1本が「野生型ホモ」で1本が「変異体のヘテロ」であれば、顔には出るがお酒はそれなりに飲める体質・・・(2)、
2本とも「変異体のヘテロ」であれば、お酒に弱い体質・・・(3)、
ということになるのだそうです。

最近の私は、飲むとすぐにヘロヘロに酔ってしまうので、おそらく(2)の「顔には出るがお酒は飲める体質」じゃないかと予想を立て、実験に臨みました。
(参考資料:県別のアルコール分解遺伝子指数)

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口の中(頬の裏側)を綿棒でぐりぐりと擦ります。
こうすることで、綿棒に私の細胞がくっつくのだそうですよ。

で、いろいろやります。
(先生の助手(学生)の指導の言いなりに作業をします)
その結果、綿棒で採取した私の細胞の中にあるDNAを増殖させ、それを分析をすることによってアルコール代謝の強弱が分かります。

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実験の数日後のこと。
先生の研究室の学生さんから、実験結果を知らせるメールが来ました。

《Kばやしさんは野生型ホモ
きれいにバンドが出ているので、画像も確認お願いします》

この画像によると、私は「野生型ホモ」つまり(1)なのだそうです。
(なんだかよく分からないが)

ま、私はそれなりに飲める体質ということらしいです。

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話を松方弘樹に戻します。
なんと松方は、もともとはお酒が飲めなかったそうです。

《松方「最初は一滴も呑めなかったんですが、一年かけたら二升飲めるようになりました」》

大学で学んだこととして、酒が飲めるか否かは遺伝子の問題なので、
訓練によって飲めるようになるなんてことはあり得ないと思うのですが・・・。
(それにしても二升はスゴイ量です)

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松方は阿川佐和子との対談で、撮影所のあった京都での思い出を語っています。

《松方「三船(敏郎)さん、裕ちゃん(石原裕次郎)、オーナー(勝新太郎)、それから錦兄(萬屋錦之介)の四人が、僕も行くバーによく来てて」》
いやあ、豪華ですねー。

《松方「挨拶しなきゃと思って『おはようございます』『おう!座れ』『はい』『ブランデーでいいか?』『はい』『誰と来た?』『友達と来てます』『おう。じゃあこれ一本飲んだら行け』ってボトルを一本置かれるんです」》
このパワハラのおかげで三十分でブランデーを一本飲めるようになったのだとか。

確かに、この4人に囲まれるというとんでもない環境なら、科学的な根拠を覆して、
遺伝子的に飲めない体質でも、飲める体質に変化してしまうかもしれないとも思ったのです。

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ただ、
酒が飲めるかは、遺伝子だけで断定できないそうです。
ちなみに、私は体も小さいこともあり、それほど飲めないのですよ。二日酔いにもなりますし。
なわけで、お手柔らかにお願いします。

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(おまけ)
三船敏郎は酒乱と言われていますね。
松方によると、
《松方「裕次郎さんは強かったですね。オーナーは飲みますけど飲まれる。錦兄は普通に飲むけど弱い」》
私は、錦兄タイプかな。

松方弘樹は今、病気闘病中だそうです。
飛び抜けてウマイ松方さんの復活が待ち遠しいです。