厄除け日記 (by Kばやし)

厄除けのように、好きなことを集めて書きます。 30代。 俳号は軽囃子(けいばやし)

長野市在住

強行スケジュールで静岡へ行ってきました。

妻君は、念願である「芹沢銈介美術館」へどうしても行きたい!ということで、私も美術館のある静岡に同行したのです。


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芹沢銈介は、静岡出身の染織家で人間国宝。

民藝運動の柳宗悦や棟方志功と交流したことでも知られています。

妻君は、染織家としてというよりも、芹沢の工業デザインのファンのようです。


旅行の2~3日前のこと。

妻君に「芹沢銈介美術館」のために静岡へ行こうと提案された私。

私が「遠いなあ・・・」と難色を示していると、妻君は「じゃあ、清水次郎長の家へ行ってもいいよ」。

東映ファンである私の弱点を突いてきたのです。

私「うむ、分かった!静岡へ行くか!」

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片岡千恵蔵(清水次郎長)「おめぇたち、行くぜ!」


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話は変わりますが

だいぶ前に、石川県の九谷焼美術館へ行きました。

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九谷焼の特長を学んだり技術を知ったり、十分に楽しみました。


美術館の近所で「九谷焼絵付け体験」ができるというので、私と妻君と息子(3才)で絵付けをしました。

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私は、姑獲鳥(うぶめ)という「ゲゲゲの鬼太郎」に登場する妖怪を描きました(左)。

息子は、妻君の補助でトリケラトプスを描きました(中央)。

妻君は、梅を描きました(右)。

そのときは気がつきませんでしたが、芹沢銈介のデザインを参考にしたのだとか。


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芹沢銈介美術館は、芸術品の展示というよりも生活の中のデザインの展示という赴き。

こんな作品の中で暮らせたら生活が豊かになりますね。


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芹沢銈介の住居も移築、展示されています。

派手ではなく、質実で美しい家でした。


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芹沢銈介美術館のあとは、いざ、清水次郎長生家へ!

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閑散とした清水の旧市街に、清水次郎長の家が奇跡的にも当時のまま残されていました。

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中もビシッと整然としていました。

片岡千恵蔵(次郎長)が出てきそうな雰囲気。


「勢揃い東海道」(東映)では、

次郎長宅の庭先で、片岡千恵蔵(次郎長)と市川歌右衛門(山岡鉄舟)が刀を抜き対峙する場面があります。

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東映の二大スター夢の対決。

この両雄に優劣をつけるなんて!

どっちが勝のだろうか!?ハラハラドキドキ。

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千恵蔵「・・・」。ジリッ、ジリッ。

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歌右衛門「・・・」。ジリッ、ジリッ。


すると突然、

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千恵蔵「出過ぎたまねをしました」

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歌右衛門「『肉を切らせて骨を断つ』の構え、恐れ入った!」


え??夢のバトルは尻つぼみな結末。


ま、「東海道・中山道」シリーズでは、東映の両御大(千恵蔵と歌右衛門)が必ず対決するシーンがありますが、どれも同じパターンで謎の和解をするのがお約束のようです。


千恵蔵と歌右衛門が向かい合った次郎長の家。

芹沢銈介の家に引けをとっていませんでしたよ。

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グッズも充実。
Tシャツは破格の1500円!

ちなみに「勢揃い東海道」の結末は、
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両御大が力を合わせて、悪を成敗。
静岡の松原で両雄が手を携えます。
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われわれの静岡旅行もお開きです。


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長野に帰ってのこと。

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小布施の老舗栗菓子メーカーの包装紙を、改めて眺めていました。

ん?芹沢銈介のデザインじゃないか?と思った私。

調べてみると、芹沢銈介の弟子のデザインでした。

わが家にある深沢七郎や内田百閒などの本の装丁は、芹沢銈介でした。

知らず知らずのうちに、親しみ楽しんでいたのですね。


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おまけ

http://kebayshi.blog.jp/archives/1026826088.html

(任侠中山道)


http://kebayshi.blog.jp/archives/1037263209.html

(任侠東海道)





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年に4回開催される長野落語会へ行きました。
出演者は、柳家小せん、桃月庵白酒。
柳家小せんさんの演目は「ねずみ」、桃月庵白酒さんの演目は「百川」でした。
思っていたとおり、人気者の白酒さんの「百川」は楽しく、客席は大笑いでした。
それはそうと、驚いたのは「ねずみ」を演じている小せんさんに、亡くなった入船亭扇橋さんが乗り移っているかのようだっこと。
入船亭扇橋さん(※東京やなぎ句会の宗匠でもあります)は、生前「ねずみ」をよく演じていました。
小せんさんの噺のリズムは、船扇さん独特の歌いっ調子(リズム)を思い起こさせ、いつの間にか体型や姿勢まで重なって見え、
長いこと落語ファンでいると、こういう嬉しい再会があるのだと知りました。

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「ねずみ」という噺には、木彫りの名人である左甚五郎(ひだりじんごろう)が登場します。

以下、あらすじ。
甚五郎が、旅の途中、たまたま泊まることになった宿が「ねずみ屋」。
腰の立たない父と小さな息子が営む、ボロボロの宿。
甚五郎は、その親子への施しで、一匹のねずみを精魂込めて彫ります。
すると木彫りのねずみが動き出しました。
ねずみ屋には、甚五郎のねずみをひと目見たいがために客が絶えず訪れるようになり、ねずみ屋は栄えました。

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2ヵ月ほど前の話ですが、飛騨高山へ行ったことを思い出しました。
美しい町並みが残っており多くの人が散策していました。
高山は、大ヒットしたアニメ映画「君の名は」の舞台だそうで、「聖地巡礼」の観光客も少なからずいたようです。
「聖地巡礼」とは、アニメファンが舞台となった土地や建物を聖地と称して訪れることをいいます。

高山はラーメンが有名な町です。
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「甚五郎」(人気ラーメン店の名前)

古い町なので、日本酒も豊富です。
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「甚五郎」(日本酒の銘柄)

そうなんです。木彫りの名人、左甚五郎は飛騨高山の出身なのです。
図らずも私は「ねずみ」の「聖地巡礼」をしていたのです。

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高山は、左甚五郎を輩出した地だけあり、木工の家具で知られている町でもあります。
名工、職人さんが大勢いるようで、家具屋もあちこちにあります。

「飛騨産業」という家具屋へ行くと、家具のギャラリーが併設されていました。
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民藝ファンには楽しい展示です。
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柳宗理がデザインした家具

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バーナードリーチがデザインした家具

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「暮らしの手帖」の花森安治、大橋鎭子がオフィスで使用していた家具

妻君は民藝ファンなので、存分に楽しんでいました。
その隣で私は、「甚五郎」を感じていました。

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おまけですが、
飛騨高山は、左甚五郎を輩出しただけでなく、私が敬愛している清水ミチコを輩出した町でもあります。
清水ミチコが出演しているニッポン放送「ラジオ ビバリー昼ズ(木曜日)」を愛聴している私。
木曜日の「ビバリー昼ズ」は、最高に面白いラジオ番組のひとつです(きっぱり!)。

ヘビーリスナーの私は、清水ミチコの実家は高山駅のそばの喫茶店であること、また、弟さんが継いでいるということを知っていました。
せっかく高山まで来ているのだから、いざ「清水ミチコの喫茶店」へ!
図らずも、また「聖地巡礼」することになったのです。
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到着すると、喫茶店は夏休みのようです。
休業中とのこと。残念・・・。

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入口には、和田誠のイラストが飾られていました。
「ビバリー昼ズ」を聴いていると、よく和田誠・平野レミ夫妻の話題が出てきます。
どうやら和田誠夫妻に三谷幸喜、南伸坊、阿川佐和子、清水ミチコを加えたサロンがあるようですよ(楽しそう)。

喫茶店はお休みでしたが、ドア越しに和田誠の絵を見ることができました。
私は週刊文春の定期購読者なので、表紙を担当している和田誠の絵を見たということで「聖地巡礼」は達成!ということにしておきましょう。

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(おまけ)
以前書いた、入船亭扇橋さんの記事
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妻君が録画した「世界の果てまで行ってQ」を見ようとすると、「24時間テレビ」のクライマックス(最後の1時間)が画面に現れました。
「24時間テレビ」放送のため「世界の果てまで行ってQ」はお休み。
「残念だー」と、妻君はテレビを消そうとしました。

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私は、その録画を見ることにしました。
というのもテレビ画面の中に、みすぼらしいジイが登場し、「殿の、おなーりー!」と叫ぶや否や、殿が悠々と登場したからです。

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ジイ「皆のもの、頭が高い。控えい、控えい!」
(写真右から2人目がジイ。中央が殿)
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殿様「ジイ、おぬしミイラみたいじゃぞ。あまりカッカするでない」

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24時間テレビは、「感動の挑戦」という爆撃を延々続ける、持久戦のようなものスゴイ番組です。
カネと時間を惜しみなく使った、テレビ局の社運をかけた番組だと思われます。

この番組のクライマックスは、殿様(加山雄三)の歌と、毎年決まっているのです。

「いや〜、暇だったから、きのうからずっとテレビを見ていたね〜」(※これは本当に言っていました!)
無邪気な発言。

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アナウンサー(家臣)「殿、前座たちのステージが終わりました」
ジイ「下々のものに、お歌をご披露くださいませ」
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家臣たちに促され、舞台中央に招かれる殿。

「24時間テレビ」のクライマックスにあわせて、マラソンランナーがゴールし、殿様に花を添えるというのが、この番組のお約束。
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殿は気持ちよく熱唱。

しかし、マラソンランナーは番組終了時刻というのにゴールしません。
テレビ画面は、マラソンランナーの走る姿ばかり。
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つまり殿様の熱唱姿がテレビ画面にアップされないのです。
(殿は写真右下)

結局、ゴールしないまま、エンディングロールが流れ番組は終了。
ジイ「この不手際、面目ござりませぬ!腹を切る所存でござりまする」
殿「よく申した!苦しゅうないぞ」

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(おまけ1)
即身仏のような谷村新司を見て、数ヶ月前に読んだ週刊文春の興味深い記事を思い出しました。
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2018年11月29日号の中吊り

殿(加山雄三)が無邪気に、「おぬしの倅は、元気にしておるか?」だの「ジイは信心に篤うて、感心じゃ」(※谷村は怪しい霊能者に傾倒)だのと言ってくれるのではないかと、私は密かに楽しみにしていました。
もちろん、そのような発言はありませんでしたが。

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(おまけ2)


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